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乳がんは古代から人類の敵でした。

乳癌は古代からあった病気で、古代エジプトにおいてはイムフォテプと言う医師による乳癌治療の記録が『パピルス』(写真)に残されています(紀元前3000年~紀元前5000年のこと)。

写真の説明はありません。

古代における乳癌の主な治療方法は、乳房の一部を切開することで悪性腫瘍を排膿し、残りの腫瘍は原始的に焼却したり腐敗させたりしたそうです。古代においては麻酔も防腐も無い時代であるので、乳癌の手術には大変な苦痛が伴い、手に負えないものであれば軟膏を塗るといった姑息的な手法によるしか出来なかったのです。

それから長い時代において、乳癌治療の歴史は停滞したままであったが、16世紀にアンブロワーズ・パレという外科医が、糸による結紮(けっさつ)で細胞を壊死(えし)させ、それによって癌を取り除くという手法を試みはじめました。乳癌の手術技法を確立したのは、フランスの外科医、ジャン・ルイ・ペティ(1674年~1750年)。その方法は、癌に周囲組織を大きく付けて一塊にして切り取り、更に転移を防ぐ為に腋窩(えきか)リンパ節を取るものであり、これは現代の外科の考えと一致するものです。彼の死後24年後にはその業績は出版され、1800年代に入ってからは多くの外科医が乳癌治療の腕を競うようになりました。

 

ここから乳がんの近代手術がはじまったと言えます。

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