2019年11月に発行されたCDCレポートによると、現在、米国では毎年280万を超える抗生物質耐性感染症が発生しています。その中には、最も一般的なものでは治療できなくなった尿路感染症（UTI）の数が増えています。

普通の抗生物質が効かない

UTIを患ったことがある場合は、頻尿、混濁尿、そしてまれに腹痛、発熱、血尿など、多くの不快な症状を引き起こす可能性があることをご存知でしょう。

これらの感染症は常に厄介なものでしたが、過去には通常、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、ニトロフラントイン、またはシプロフロキサシンなどの一般的な抗生物質の短期コースで簡単に治療できました。

しかし、薬剤耐性UTIは、一般的な抗生物質がもはやそれらに対して作用しない可能性があるため、治療をより複雑にしました。これにより、適切な抗生物質の投与が遅れ、腎臓や血流の感染症などの合併症を引き起こす可能性があります。場合によっては、医師はこれらの感染症を取り除くために抗生物質の静脈内投与に頼る必要があります。

細菌耐性は、生物が特定の抗生物質への曝露を生き延び、この生存の利点を再現して受け継ぐときに発生します。これにより、バクテリアは抗生物質の殺傷力に対して強くなります。

閉経後のリスク

特に閉経後の女性は、閉経後の生理学的およびホルモンの変化のために、UTIのリスクがあります。これらの変化には、膣内の組織の菲薄化、膀胱を完全に空にする問題、および感染性微生物の抑制に役立つ善玉菌の増殖を促進する可能性のあるホルモンエストロゲンのレベルの低下が含まれます。このため、閉経後の女性の中には、膣のエストロゲンクリームの効果がでる場合もあります。

しかし、閉経後の女性はUTIにかかりやすいのですが、薬剤耐性感染症にかかるかどうかは、病歴、過去の抗生物質の使用、環境への曝露によって異なります。

健康を保つ

すべてではありませんが、一部のUTIは予防できます。UTIやその他の人間の感染症を引き起こす細菌のほとんどは私たちの体内に住んでいます。UTIを引き起こす細菌は通常胃腸管から来て、特定の条件下で泌尿器系に侵入する可能性があります。

水分補給を十分に行うことは、UTIの予防に役立つ1つの方法です。頻尿は、細菌が増殖し始める前に尿路から細菌を洗い流す可能性があります。トイレットペーパーを使用するときは、必ず前から後ろに向かってトイレットペーパーで拭いてください。これにより、直腸の近くに安全に生息しているバクテリアが尿道に近づくのを防ぎます。また、皮膚に損傷を与え、感染症を起こしやすくする可能性があるため、こすったり、過度に過酷なクレンジング製品を使用したりしないでください。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱は、残尿が増えてくるために抗生物質が効果がないことがあります。そして、膀胱にのこった細菌が抗生物質に耐性をもってしまいます。骨盤臓器脱の場合は手術により改善させるのが、もっとも尿路感染を治す方法になります。

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎は、膀胱に炎症がおきて、その炎症のために膀胱充満時に痛みがおきます。この場合、勘違いから抗生物質を連続して投与する患者がみられますが、耐性菌をつくってしまうだけになってしまいます。