インドの研究者らは、Indian J Urolに、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群IC / BPSの女性における性機能障害について報告をしました。これは、世界各地で、間質性膀胱炎の痛みと膣の健康状態に関係があることが、すこしずつわかっつてきたからです。
Indian J Urol Jul-Sep 2020;36(3):212-215. doi: 10.4103/iju.IJU_145_20. Epub 2020 Jul 1.
Sexual dysfunction in women with interstitial cystitis/bladder pain syndrome: A case-control study
Amit Agrawal https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7531377/
研究方法
このケースコントロール研究は、IC / BPS患者のFSDと、無症状の人のFSDとを、比較することが目的でした。骨盤痛および尿意切迫感/頻度(PUF)質問票スコアおよびFSFIスコアをこの研究のツールとして使用しました。
研究結果
32人の間質性膀胱炎の患者、および 症状のない女性32人が募集されました。IC / BPSの患者は、対照群と比較して有意に高いPUFスコアを示しました(7.843対3.656)。これらの患者はまた、調整されたFSFIスコアの合計(18.678±4.531対28.05±4.318; P <0.05)および性機能のすべての領域で個別にスコアが悪化しました。IC / BPSグループの29人(90.62%)の患者は、対照グループの12人(37.5%)の患者と比較して、FSDを持っていました。痛みは最も一般的な主訴であり、対照群の患者のわずか31.25%と比較して、IC / BPS群の患者の65.25%に見られました。
特徴 | IC / BPSグループ | 対照群 | P |
---|---|---|---|
総数 | 32 | 32 | <0.00001 |
平均年齢(年) | 41±5.25 | 40.28±6.34 | |
平均PUFスコア | 17.843 | 3.656 |
PUF =骨盤痛および尿意切迫感/頻度、IC / BPS =間質性膀胱炎/膀胱痛症候群
ドメイン | IC / BPSグループ | 対照群 | t | P |
---|---|---|---|---|
欲望 | 2.343±0.767 | 4.537±1.246 | −8.475 | <0.05 |
覚醒 | 2.803±0.837 | 4.8±1.055 | −8.384 | <0.05 |
潤滑 | 3.281±1.125 | 4.8±0.963 | −5.799 | <0.05 |
オーガズム | 2.612±0.995 | 4.162±1.055 | −6.044 | <0.05 |
満足 | 3.025±0.793 | 4.387±1.124 | −5.601 | <0.05 |
痛み | 4.612±1.4 | 5.362±1.055 | −2.419 | <0.05 |
合計FSFIスコア | 18.678±4.531 | 28.05±4.318 | −8.468 | <0.05 |
FSFI =女性の性機能指数、IC / BPS =間質性膀胱炎/膀胱痛症候群
この研究結果からわかること
研究の結果は、IC / BPSの女性は対照よりも多くの痛みと性機能障害を持っていることを示しています。
ここから治療方法がまだ見つかっていない間質性膀胱炎に関して、膣の健康状態をなおすという考え方がでてきます。
この記事へのコメントはありません。