Lancet Neurol. 2020 Oct 5.に報告さえれた症例研究によると、新型コロナウイルスは、脳への感染をしていることがわかりました。
Matschke J, et al. Neuropathology of patients with COVID-19 in Germany: a post-mortem case series. Lancet Neurol. 2020 Oct 5.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡患者43例(51-94歳)の剖検による調査です。その脳組織での、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による中枢神経系の神経病理変化を調査しました。
その結果、6例(14%)に領域性の新鮮虚血病変が検出されました。
37例(86%)では調べた全領域にアストログリア増殖症が認められました。
脳幹と小脳では、ミクログリアの活性化と細胞障害性Tリンパ球による浸潤が最も顕著に認められました。
34例(79%)には髄膜細胞障害性Tリンパ球の浸潤が認められました。
40例中21例(53%)脳SARS-CoV-2が検出され、それらは、下位脳幹を起始とする脳神経と脳幹の単離細胞にSARS-CoV-2ウイルス蛋白が認められました。
なお、中枢神経系SARS-CoV-2と、神経病理変化の重症度との関連性はなかったため、臨床症状だけでは脳新型コロナウイルス感染を評価するのは難しいといえます、