一部の若い人により感染が伝播すると言われてきたが、それでは若い人の立ち場はない。でも、こんな方法で、将来若い人の血液が、高齢者コロナウイルス感染者の命を救うかもしれない。
Early High-Titer Plasma Therapy to Prevent Severe Covid-19 in Older Adults
List of authors.
Romina Libster, M.D., the Fundación INFANT–COVID-19 Group*
N Engl J Med
. 2021 Jan 6. doi: 10.1056/NEJMoa2033700. Online ahead of print.
コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する高IgG力価の回復性血漿
アルゼンチンの臨床現場および老人病棟で、2020年6月4日から2020年10月25日に行いました。患者の平均(±SD)年齢は77.2±8.6歳であり、合計165人の患者が参加しました、そのうち100人の患者(62%)が女性でした
軽度のCovid-19症状の発症後72時間以内に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する高IgG力価の回復性血漿のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。
回復期の血漿またはプラセボは、症状の発症後72時間以内に投与され、注入は1.5〜2.0時間にわたって行われました。
試験のエンドポイント
試験の主要なエンドポイントは、重症にならないことです。この場合の重症とは、毎分30呼吸以上の呼吸数、患者がルームエアーで呼吸している間の酸素飽和度が93%未満、またはその両方として定義しました。
結果
注入から24時間後の回復期血漿およびプラセボ群におけるSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質に対するIgG抗体価が示されています。
治療群では、回復期血漿を投与された患者80人中13人(16%)が重症化。プラセボを投与された患者80人中25人(31%)が重症化。(相対リスク、0.52; 95%信頼区間[CI ]、0.29〜0.94; P = 0.03)
あきらかに、回復期血漿は有効です。
ビル・ゲイツの夢が実現化してきている
この研究は、回復期血漿を提供できる人が必要です。それは、若い人です。
軽度の感染症の高齢者にSARS-CoV-2に対する高力価回復期血漿を早期投与すると、Covid-19の進行が抑制されたことは、コロナウイルスに対する新たな戦略をしめしています。
回復期血漿に関しては、これまで効果不十分とか、有意差なしとした論文もありますが、ひとつの可能性として示された論文です。
この研究は、ビル&メリンダゲイツ財団とFundaciónINFANTパンデミック基金によって資金提供しています。
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