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低活動膀胱を知っていますか?

聞きなれない病名”低活動膀胱”

低活動膀胱という病気は?

膀胱収縮の減弱という機能障害をさします。膀胱の筋肉は排尿筋といいますので、排尿筋低活動という別名があります。(英語では、Underactibe bladder またはdetruser underactivity).正確な定義は、排尿筋の低活動による排出障害を示唆する症状症候群と定義されます。

 

基本的には、ウロダイナミック検査が必要です。

この検査で、排尿筋の収縮力が弱く、もしくは、収縮の持続時間が短いこと、その結果、排尿機関が延長するか、もしくは一定時間内に膀胱を完全に空にできなくなることと定義します。

これに対して、膀胱収縮がまったく認められないものは、排尿筋無収縮といいます。

 

非常に混乱しますが、、

膀胱の問題は、排尿のことと、畜尿のことがあります

1 排尿の問題で、膀胱の筋力が著しく落ちている場合 = 排尿筋低活動 つまり、低活動膀胱

2 蓄尿の問題で、膀胱の筋力が著しく落ちている場合 = 2つあり

2-1膀胱に尿がたまるとすぐ収縮すれば排尿筋過活動(収縮不全型排尿筋過活動)

2-2膀胱がどこまでも伸びていく場合(低コンプライアンス膀胱)

ここで、大事なのは、1と2は別々の問題ではないことです。また、2-1と2-2は真逆のように見えますが、そんなことはありません。2-2が進行すると膀胱は萎縮がはじまり、2-1になってしまいます。ここが重要です。

 

現実の診療では、高齢の女性では過活動膀胱と低活動膀胱が同居する場合がある!

 

低活動膀胱は、その結果、膀胱が空になるのが長引くか遅いか、または通常の時間内に膀胱を完全に空にすることができないということですから、腹圧性尿失禁のように尿がたまるとすべて漏れてしまうものとは一緒には存在できない、これは事実です。

しかし、そんなことはなく、

逆説的に、低活動膀胱は、過活動膀胱と共存する可能性があります。大混乱すると思いますが、過活動膀胱では、膀胱がその人の制御不能に収縮する可能性(膀胱または排尿筋の活動亢進)があって、その時に、膀胱収縮が損なわれ、膀胱が正常に空にならない、つまり、低活動膀胱になるのです。

また、女性では、過活動膀胱は腹圧性尿失禁と共存する可能性があります。さらに、低活動膀胱が腹圧性尿失禁と合併する場合もあります

 

わかりやすく、考えると、尿道も筋力がおちている & 膀胱も筋力がおちている

というあたりまえのことが、おりうるのです

 

どのくらい患者さんがいるのか?

低活動膀胱はどのくらい一般的でしょうか?
有病率は、主に高齢者で研究されてきました。65歳以上の人々を対象としたいくつかの研究では、男性の最大40%、女性の13%が低活動膀胱を持っていることがわかっています。

男性では、加齢に伴って起こる前立腺の良性肥大が原因で、過活動膀胱および膀胱出口部閉塞と過活動膀胱が共存することがあります。

女性では、低活動膀胱は、過活動膀胱または腹圧性尿失禁と共存する可能性があります。(上記に書いたように、尿道も膀胱も筋力がおちているということ)

 

低活動膀胱の症状とは?

膀胱の活動が不十分な場合の症状は次のとおりです。かならずある症状というのはありません。

排尿の開始が、すぐでない人がいる
膀胱を空にするためにお腹を押して緊張させることが必要な人がいる
尿の流れが悪い、または遅いという人もいる
尿の流れをが途中でとまる人もいる
尿の通過に長い時間がかかる場合もある
膀胱が完全に空になっていないように感じる
排尿を終了した直後にもう一度トイレに戻る必要がある
膀胱膨満感の低下
頻尿
尿意切迫感
腹圧性尿失禁がある
膀胱の活動が不十分な重症例では、たまりすぎで漏れる「オーバーフロー」尿失禁が発生する可能性があります。
過活動膀胱の症状は、他の膀胱の状態、特に膀胱出口部閉塞(すなわち、膀胱からの尿の流出の遮断)および過活動膀胱と著しく重複します。
その結果、膀胱の活動が不十分な場合、診断を下すために超音波検査や尿流動態検査などの検査でさらに評価する必要があります。

原因は何ですか?

膀胱の活動低下の原因は、次の3つのカテゴリに分類されます。

神経原性–膀胱の神経供給の異常に関連する場合
筋形成–排尿筋としても知られる膀胱の筋肉の問題による場合
特発性–原因を特定できない場合

 

低活動膀胱の神経因性の原因には、次のものがあります。

糖尿病
多発性硬化症やパーキンソン病などの中枢神経系の状態
膀胱に供給する神経の損傷につながる可能性のある骨盤手術または外傷が原因である末梢神経系の損傷。
腹会陰式切除術(直腸癌の腸手術)、子宮癌の根治的子宮摘出術
骨盤および仙骨の骨折または椎間板脱出による馬尾神経の損傷
神経系に影響を与える可能性のある感染症例:帯状疱疹、ギランバレー症候群

 

低活動膀胱の筋原性の原因は次のとおりです。

糖尿病
膀胱の慢性的な過度の膨張または過度の伸展した場合
男性の前立腺肥大による膀胱流出の慢性的な閉塞による場合
女性の重度の慢性骨盤臓器脱による場合
異常な学習排尿パターンが原因となることはめったにありません
特発性の低活動膀胱

 

特発性低活動膀胱は、神経原性または筋原性の原因を特定できない場合に特定されます。
膀胱の活動低下を加齢に起因すると考える研究もあれば、加齢との相関関係を発見していない研究もあります。
高齢者の膀胱機能低下の原因となるのは、年齢を含む多くの要因である可能性があります。

 

診断の方法

診断の方法がむずかしいです

 

非侵襲的検査は、最初は以下を含む低活動膀胱を調査するために使用されます。

流量試験–特別な流量計装置を備えたトイレに尿を流すことにより、尿が通過する速度を測定します。
残尿量超音波–膀胱の超音波スキャンによって測定された、排尿直後に膀胱に残された尿の量の評価です。
膀胱日記

有効な方法の一つが、MRIです
MRIでは、放射線科の用語で、尿道圧迫症候群や膀胱と尿道の血流低下という形で発見することができます

 

侵襲的な検査方法

ウロダイナミック検査では、尿路内であまり排尿機能及び閉塞を区別することが可能です。
尿流動態検査は、膀胱鏡検査と組み合わせて、男性の尿道と膀胱、および前立腺の解剖学的構造に関する詳細情報がわかります

このウロダイナミック検査で難しいところは、腹圧性尿失禁との合併では、普通に検査をしているだけでは尿失禁しか検査できない。そこで、膣から尿道を圧迫して膀胱内圧を追加で測定すると、排尿筋の能力を測定することができる。

 

治療にはなにがあるのか?

一般的な対処方法

残尿をしらべていくこと
尿路感染を確認すること

時間排尿をすること

 

理学療法としては、間欠的導尿をマスターすること。

腹圧性尿失禁例では、無駄におもえるかもしれないですが、治療の途中で、突然でなくなる場合があるためです

 

投薬による治療

残念ながら、膀胱筋の収縮を確実にまたは自足的に改善する薬は現在ありません。

ベタネコールは、膀胱にある特定の受容体(ムスカリン受容体)を刺激する薬です。残念ながら、研究では、症状の改善や膀胱の排出においてプラセボよりも有利であることが示されていないため、現在では一般的に使用されていません。
タムスロシンは、膀胱出口にあるアルファアドレナリン受容体のメッセージを遮断する薬です。タムスロシンは膀胱出口の平滑筋の弛緩を引き起こし、通過する尿への抵抗を減らすのに役立ちます。タムスロシンは、男性の尿の流れと膀胱の排出を改善するのに役立ちます。

InterStim®と神経調節神経調節デバイス
このデバイスは、膀胱の活動が不十分な患者に適したオプションである場合があります。InterStim®療法は、過活動膀胱を患っている、または尿路の閉塞がなく、膀胱が機能不全であるために膀胱が空になる問題がある18歳以上の人々で使用が承認されています。少なくとも12か月間の他の治療で効果がないのが条件です。

尿道圧迫症候群・膀胱出口部閉塞を治療するための手術
前立腺肥大による閉塞があることが示されている男性におけるTURP(経尿道的前立腺切除術)による手術は、排尿症状を大幅に改善することが示されています。女性の場合は、内視鏡的バルーン尿道拡張が安全性が高いと考えられます。女性はとくに、わずかしか筋肉がないので、おおきく広げ過ぎると筋肉がきれて治らなくなるからです。

レーザー尿失禁治療のエビデンス

がんサバイバーの睡眠は治療後ずっと影響を受けます

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