European Journal of Preventive Cardiology誌 2017 年論文によると、頻繁にマラソンに出場しても動脈硬化のリスクは高まらないとデータがでています。
研究グループは、心血管危険因子(心血管疾患、高血圧、喫煙習慣など)のない健常男性(2013年の開催ミュンヘンマラソン参加者で、それ以前にも複数イベントにて完走した97人)を対象にしました。
ランニングがアテローム性動脈硬化症の早期発現を引き起こし得るかを検討したところ、
ミュンヘンマラソン以前に参加者が完走したランニングのイベント(ハーフマラソン、フルマラソン、およびウルトラマラソンなど)数中央値は11で、1週間、および年間あたりの平均トレーニング走行距離はそれぞれ59kmおよび1639kmでした。
参加ランナーの動脈スティフネス、内膜中膜複合体厚、および内皮細胞機能不全の平均数値は正常範囲でした。
運動耐容能、マラソン完走までの時間、完走したレースの数、週間または年間のトレーニング走行距離と、各種血管機能の評価項目との間に、有意な関連はありませんでした。
血管機能評価項目における前動脈硬化状態と独立した関連が見られたのは年齢のみでした。
以上のデータから、マラソンそのものが動脈硬化の危険因子ではないと結論付けられると述べている。