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走り始めの6秒間しか蓄積酸素はもたない

スタートのところでは、いつも待たされますね。そして、いざ、号砲とともに走り出します。このとき、無酸素運動にしてしまうと、あとで足に疲労がたまるわけだ。
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でも、休んでいる間に、酸素をいっぱい吸ってらいいじゃないか?とおもうけど、体の酸素は、そんなに蓄積してない。長年、その量と時間はなぞだった。いろんな研究があるけど、いまいち、直接そくていできなかったのだ。
そこで、直接測定したデータがある
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Med Sci Sports Exerc. 2015 Mar 31. [Epub ahead of print]
MRS Evidence of Adequate O2 Supply in Human Skeletal Muscle at the Onset of Exercise.
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具体的には、動的な底屈運動を利用し、運動での最大仕事率(WRmax)(中等度)の60%とWRmax(重強度)の80%の両方で評価。被験者は6人。分析は、磁気共鳴分光法(MRS)をもちいた。
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写真の説明はありません。

MRSで測定したのは、ヘモグロビン
ちょっと解説すると、ヘモグロビンとは、ヒトを含む全ての脊椎動物や一部のその他の動物の血液中に存在する赤血球の中にある蛋白質である。酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。 鉄イオンがあるため、赤色を帯びている。
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そこで、酸素と結合したヘモグロビンはオキシヘモグロビン(oxyhemoglobin)、酸素と結合していないヘモグロビンはデオキシヘモグロビン(deoxyhemoglobin)と呼ばれる。だから、デオキシヘモグロビンの変化を、みていけばいいのだ。グラフでは縦軸にあたる。横軸は、最初休憩していて、その後、運動した時間である。
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よく見てみよう。たった6秒、たった6秒しか、酸素が充填されているとはいえない。デオキシヘモグロビンのレベルが上昇したのは、運動開始後、約6秒までだから、言い方をかえれば、筋細胞内の酸素濃度が落下開始しないことを意味する。これとは対照的に、クレアチンリン酸はすぐに落下を開始したと論文にはある。
そのあと、心肺からの酸素の供給があるんだけど、ちょっと遅れているね。再び酸素が全身に供給されるのは、あなたの運動の種類と負荷で差があるから、何分後から供給とはいえないけど。
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さて、今回の論文は、単なる科学的興味なんだけど、
なにか生かせないかな?
インターバルトレーニングの前のウォームアップに生かせるかな?
そこは、ラン愛好家のみなさんに、おまかせします。

前傾姿勢で走ると膝の負担が小さい

骨盤臓器脱の危険因子として、WHIが閉経ではなく年齢を指摘しています

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