ここまでの時点で、新型コロナウイルス感染症が子供たちにとって、どんな病気かまとめてみます
COVID-19感染は 子どもにとっては『風邪のウイルス』?
世界的にみての統計データ
18歳未満のSARS-CoV-2感染者の割合は少ないこと(米国1.7%、イタリア1.8%)、
無症候性のことが多いこと
日本においても20歳未満の感染者は割合も少なく、現時点での死亡例はないこと
ここから、『風邪ウイルス』と考えてよいと思われます
その原因は、
子どもはSARS-CoV-2受容体であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)2の発現度が有意に低いことがあり得ます。
当初から言われているように、ACE2の発現度は、COVID-19感染のシステムの重要なかぎになります
では、この時期に子どもたちを守るべき病気は?
15歳未満ではCOVID-19よりも
インフルエンザ・肺炎、RSウイルスに注意すべきです
子どもは流行を広げているか?
現時点でさまざまな報告がありますが、わからないというのが結論です。
これらのデータは、SARS-CoV-2の検査方法にもよります。
ウイルス量という点に注目しても「発症後の日数」、「採取方法」、「症状の有無」などあるので、統計データとしては因子が多いです
論文の統計にも注意が必要です。
JAMA Pediatr 2020; 174: 902-903にて、『子供は大人の10-100倍のウイルスを出している』という結論になっていますが、解析対象から無症候性感染児を外していることを勘案すると、かならずしも多いとはかぎりません。この論文は、出している子供もいるということだけです
子どもはなぜ重症化しにくいととらえるのも、まだ性急?
子どもがSARS-CoV-2に感染しても重症化しにくいとする根拠は、子どもでは重症化のリスク因子となる基礎疾患が少ないことが報告されています。重症化リスクのある基礎疾患としては、肥満、高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病ですから、そうとらえるとおもいます。
しかし、これもまだ結論がでていません。重症化するこどももいるととらえるべきと考えます
川崎病と小児多系統炎症性症候群は類似しているか?
これは、はっきりしません。たしかに、他のウイルスにひかくすると、川崎病に似ています
しかし、川崎病の基準を半分もみたさないケースが多数報告されており、COVID-19=川崎病ととらえることはできません
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