スウエーデンの研究者らが、1996年から2016までの20年間のデータを分析した研究を紹介します
Pregnancy and delivery after mid-urethral sling operation Int Urogynecol J. 2021 Jan;32(1):179-186. doi: 10.1007/s00192-020-04497-w. Epub 2020 Aug 25.
1990年後半から2016年ごろまでは腹圧性尿失禁の治療といえば、中部尿道スリング(尿道に人工メッシュを挿入する手術)しかありませんでした。そのような選択のない時期でも、妊娠を希望する女性では、メッシュ手術のあとの経腟分娩を避けたいという傾向があったということが、2021年のフィンランドの論文で報告されました
この研究では、メッシュを挿入するまえの女性の経腟分娩が90%であったものが、挿入後は54%になったと報告しています
これを裏付けるような論文も紹介します
日本の論文では、尿道へのレーザー治療が普及したことにより、選択が増える可能性がでてきました。すると妊娠を希望する女性は、いち早く、メッシュからレーザーへと希望を変化させています。とくに、一度出産をして腹圧性尿失禁になった後、事情で新しいパートナーをもとめるような女性では、レーザーの効果は顕著になっています
Comparison of urethral sling surgery and non-ablative vaginal Erbium:YAG laser treatment in 327 patients with stress urinary incontinence: a case-matching analysis Lasers in Medical Science (2021)
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