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大注目の痩せるホルモン、インクレチンのアップするパレオダイエット

ダイエットがうまくいないことは多いですね。せっかく、食事を控えめにしていたのに、何かのきっかけで食べ過ぎてしまう。夜間に運転していて、サービスエリアでうどんを摂ると、そのあとの運転中に、眠気が出てくる。こうした変化は、血糖値の影響でおこります。

この血糖値を調節するのは、インスリンというホルモンです。たとえば、ご存じのようにインスリンは、糖尿病の治療の主役。糖尿病は、血糖のコントロールができなくなった状態です。生活習慣でおこるものを2型糖尿病といいますが、日本の歴史で、藤原道長が有名です。摂政の頃「日夜を問わず水を飲み、口は乾いて力無し、但し食が減ぜず」と糖尿病の症状がでています。豊食とともに出現した病気です。

インスリンは、1921年に発見されました。インスリンを投与することで血糖値を調節する技術が進み、多くの命を救いました。インスリンは、糖分を運動エネルギーに変え、余った糖分は脂肪に蓄える役割をします。しかし大きな欠点があります。インスリンは、血糖を下げすぎますし、インスリンを使い果たすろ代わりになるようなホルモンがいません。変わりがないので、長年にわたり過剰な食事をすれば、血糖値を上げすぎで、インスリンを分泌する膵臓の細胞が疲弊して分泌できなくなります。そこで、インスリン発見当初から、インスリンを調節するパートナーのホルモンが予言されていました。

最近発見されたインクレチンというホルモンがそれです。小腸から分泌され、インスリンという剛腕ピッチャーをうまくリードする名捕手として、インスリンの分泌調節をしてくれます。小腸はいままで何をしている臓器かわからなかったのですが、このインクレチンの発見で、食べた物の量を測定して、それに応じてインクレチンを分泌していることがわかったのです。インクレチンの中で注目なのが、1983年に発見されたGLP-1です。小腸の出口や大腸のL細胞から分泌されるホルモンです。このホルモンが分泌されると、インスリンを必要な分量だけ分泌させます。脳に作用して満腹感を与え、腸はこれ以上の食事をストップするために蠕動運動をおとなしくします。インクレチンの分泌が増加すると、自然に痩せてきます。

そこで、どんな食事がインクレチン分泌にいいのか研究した論文があります。2015年にイギリスの研究者らが調べたところ、GLP-1の分泌が向上するのは、天然の食べ物をなるべく調理を簡単にして食べるパレオ(原始人)食だったのです。パレオダイエットは、アメリカのアスリートの中では常識的に使われています。肉は焼くだけで調味料はつかわず、野菜はドレッシング無しでたっぷり、魚などしっかりたべます。炭水化物は控えめに、運動量にあわせたカロリーを摂ります。食べている内容をみると、原始人そのまま。つまり、藤原道長の以前の古代食に戻れば、糖尿病にならずに済むというわけです。

うどんだけを食べればインスリンが出てきて血糖値が下がりすぎるのですが、やさいや魚などを豊富に食べればインクレチンが分泌して、おだやかに血糖値を調節することになります。リバウンドを経験せず、食後の眠気も少ないので仕事に差し支えありません。ダイエットの秘訣は、インクレチンをいかに分泌するかです。

テストステロンの分泌をアップする生活術。ランニングは適度な量で!

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