米国Michigan大学らの研究者らが、Lancet誌電子版に2020年9月25日に報告した論文によると、ECMOで治療したCOVID-19患者の死亡率は40%未満であることがわかりました
36か国213病院の研究
研究者らは、ECMO(体外式膜型人工肺)が適用された36カ国213病院のCOVID-19症例データを分析した。
対象はELSOレジストリに登録された12万5000例を超える症例。このうち
2020年1月16日から5月1日までにCOVID-19の診断が確定した16歳以上の患者について分析をした。
アウトカムの追跡は2020年8月3日まで行った。
主要評価項目は、ECMO導入から90日後までの院内死亡率とした。
副次評価項目は、患者の所在地の割合で、ICU治療中、入院中、他の病院やリハビリ施設に転院、自宅に戻るなどとした。
結果は?
分析時点で、56人(5%)はまだICU滞在中で、11人(1%)がICUを出たものの入院中、311人(30%)が退院して自宅または急性期リハビリセンターに入所していた。380人(37%)が院内死亡していた。まだ入院中の患者を除外すると死亡率は968人中380人(39%)になった。380人のうち322人(85%)は、転帰不良によりECMOの適用が中止され、309人(81%)は、ECMO適用中止から24時間以内に死亡していた。
ECMO装着時間は?
ECMO装着期間の中央値は26.9日で、入院日数の中央値は生存者では31.1日、死者では16.0日だった。ECMO装着から90日以内の死亡の累積発生率を推定した。装着から90日未満だった患者や、入院中だった患者などが存在していたために、カプランマイヤー法を用いて生存時間解析を行った。90日院内死亡率は37.4%(95%信頼区間34.4-40.4%)になった。ARDSを発症し、VVモードの治療を受けていた患者の推定累積死亡率は、38.0%(95%信頼区間34.6-41.5%)だった。
これらの結果から研究者らは、世界の213病院から提供されたデータを基に推定した90日死亡率は40%未満だったと結論している。
。
この記事へのコメントはありません。